ロマン


ロマン〈1〉 (文学の冒険)ロマン〈1〉 (文学の冒険)
(1998/04)
ウラジーミル ソローキン

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あらすじ
 物語の舞台は19世紀末のロシア。
32歳の若い弁護士ロマン・アレクセーヴィチが3年ぶりで故郷の村クルトイ・ヤールに戻ってくる。ロマンはブロンドの髪をした長身の美男子。幼くして父母と死別し、刻苦して弁護士となったが、1年余り前にその職を離れ、画家として一人だちしようと決心する。今回の旅は、伯父や伯母の住む村で、ゆっくり絵に励もうというのが主な目的だった。伯父の家にたどりついたロマンは、村人たちから大歓迎を受ける。「ここに来れて嬉しい。もうここからどこへも出ていきはしない」。3年前に別れた娘・ゾーヤとの再会を果たすが、奔放で独立心の強い彼女との結婚は望めないとロマンは思う。

 ロマンは、絵の勉強を中断し、狩りやキノコ狩りやらの村の生活を存分に楽しむ。ある日、釣りに出た彼は、漁師との会話で「自由のみが死の恐怖を克服できる」と感じる。やがて物語は急展開する。ある日、森にキノコ狩りに出たロマンは迷子になり、奥へ奥へと入り込むうちに、鹿の子を殺した狼と出会う。ロマンはナイフを振りかざして、狼を襲い、格闘の挙げ句、狼をしとめる。狼をしとめたというしびれるような快感に涙を流し、傷の痛みを堪えながら、森をさまよっていると、噂で聞いた森番の家に這々のていでたどり着く。翌日、長い眠りから目覚めたロマンはかいがいしく自分の世話を焼いてくれる森番の娘タチヤーナに恋をする。タチヤーナもまた、ロマンの荒々しい魅力のとりことなり、二人は恋仲となるが、じつは森番の父親アダムは継父で、娘のタチヤーナを溺愛していることがわかる。それと知らず、タチヤーナに会いに来たロマンは、森番アダムからロシアン・ルーレットを申し込まれる。それぞれが一回目の賭を無事ことなきに終えた後、部屋にタチヤーナが入ってきて二人は和解する。ロマンは手紙でタチヤーナに愛を告白する。

 やがて村で火事が起こり、ロマンは焼け落ちようとする農家からイコンを救い出し、人々からその英雄的な振る舞いを称えられる。それとほぼ時を同じくして、タチヤーナから愛の告白をつづった手紙が返ってくる。森番アダムの許しもあり、無事結婚を許された二人は、教会で結婚式をあげ、贅をつくした披露宴で村人たちは陽気に浮かれ騒ぐ。驚くばかりに豪華な料理。次々と繰り出される乾杯や民謡。アコーディオンに合わせてのカマリンスカヤ踊り…

 二人きりになり、部屋に戻った若い夫婦は、村人たちからの贈り物を開く。するとそこには斧と鈴の贈りものがあった。長い樫の柄のついた斧を手にしたロマンは喜ばしげにいう。「ええとね、ぼくはすべてのことが分かったような気がするんだ」。ロマンは階下の客間でカードに興じる伯父や森番アダム、ゾーヤの父クラスノフスキー、他の客人たちを二階のビリヤード室に呼び出し、タチヤーナの鈴の音にあわせて殺害を開始する。やがて二人は村人たち全員の虐殺に乗り出し、彼らの死体の一部を村の教会に運び、ついには教会のなかで新妻のタチヤーナも殺し、自らも死にはてる。
 


あらすじ長くてスイマセンwwww

ポストモダン文学と呼び声も高く、「ロシア文学のモンスター」ウラジミール・ソローキンの代表作です。

画像は1巻だけですが、全2巻ありまして、1巻だけだと、たぶんものすごくつまらんのでかなり我慢して読まざるを得ないと思いますwwwww
文体はドフトエフスキーやトルストイへのオマージュを感じられる、THEロシア文学と言った感じで、あらすじでの森で狼を殺すあたりまでは恋に悩む青年ロマンと、それを取り巻く平凡な日々といった話です。

ですが

段々ロマンもタチアーナも同じことしか言わなくなってきて、下巻中盤、夫妻となった二人になぜか斧と鈴の贈りものが…
「それにしても鈴と斧というのはじつにおかしなプレゼントだね。なんだかそのプレゼントがぼくの心をとっても気持ちよくするんだ」「私もよ」
思わず「なんでやねん」とツッコミ入れてしまう急展開。

そして神の啓示を受けた信徒のように叔父を、父を、友人を、老人を、女性を、赤ん坊をすべて斧で殺していく。
頭蓋骨が砕け、脳漿が飛び散り、赤子の首が切断され、逃げ出そうと背中を見せた主婦の背骨が割られる。
村人全員を殺すとそこからは死体の解体作業が始まる。

情感豊かでちょっとしたことにも感動していた青年が、何もしゃべらずに村の家々を襲うさまはちょっとやそっとのホラー小説よりもはるかに怖いですね…
その傍らでは、天使のように優しかったはずの妻が鈴を鳴らしつつ飛び散った血を拭っており、以前私がハマっていた津山三十人殺しを彷彿とさせます…(まあロマンの方は小説だからいいけど…)
ただ、教会の解体シーンなどは不快極まりないんですが、どこか機械的で、淡々としています。死体愛好者が無意味に死体を玩ぶというよりかは、すべてを無に帰す作業…といった感じですかね…

いままではぐくんできたすべてのものをことごとく破壊しまくり、スプラッタ&カニバ&スカトロで終わる…
なんだこの話…

どうもこの話、過去のロシア文学者たちのいろいろな文体を模倣して描かれていて、それを最後で(文学的に)全部ぶちこわすというロシア文学史のパロディ的な実験小説で、ソローキンも「文学の埋葬」をテーマにしていたようですね。
だから、ロシア文学の象徴のような純朴な青年、ロマンを殺し、墓を立てることこそがこの話のキモだったというわけですね。
あらためて1巻冒頭に戻ってみると、ロマンの墓がたたずんでおり、美しい情景が広がっている…
なんというか最後を読んだ後と読んでない時では頭に浮かぶ情景が微妙に違うんですね。
この冒頭部分すら、最後の破壊活動が書きたくて書かれたものなのかと思うと、しょっぱい気持ちになりますww
普通に読んでただの悪趣味&基地外小説で終わらせてしまった方がよかったのか…と考えさせられる本です。

、この話に限ってはお薦めしてません
なぜかというと、虐殺部分があまりにも凄惨すぎるので、読む人を選ぶし、実際このシーンで最後まで読めなかった人が結構いるようです。
しかも基本ロシアの古典文学をある程度は(ドフトエフスキーとかツルゲーネフとか)読んでないと面白がれませんwww
色々書きましたが、読む際には覚悟してくださいねwwwww








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