ソロモンの偽証 第三部



ソロモンの偽証 第III部 法廷ソロモンの偽証 第III部 法廷
(2012/10/11)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


~あらすじ~
この裁判は仕組まれていた!? 最後の証人の登場に呆然となる法廷。驚天動地の完結篇!
その証人はおずおずと証言台に立った。瞬間、真夏の法廷は沸騰し、やがて深い沈黙が支配していった。事件を覆う封印が次々と解かれてゆく。告発状の主も、クリスマスの雪道を駆け抜けた謎の少年も、死を賭けたゲームの囚われ人だったのだ。見えざる手がこの裁判を操っていたのだとすれば……。驚愕と感動の評決が、今下る!


この裁判は「大出俊次は告発状の通り、本当に柏木卓也を突き落としたのか?」というのが争点であり、柏木卓也の自殺により引き起こされた事件はまた別件であるという鉄の掟(?)で裁判は始まります。
召喚する証人は、先生や校長、柏木卓也の父、兄、マスコミの茂木、電気屋の店主や、大出俊次の父に依頼されたプロの放火屋の弁護人やら…
「中学生の夏の課外活動」にしては、かなり本格的…というか完全に「裁判」をしています。
最初は先生が証人として「法廷」に立つも、内心では「子供の質問ごっこに付き合ってられない。なめられてたまるか」というような態度だったのですが、みんなの真剣な雰囲気に身も心も(?)証人として、裁判に参加していく過程は小気味よかったです。
警視庁勤務の父を持つ藤野涼子(検察)と何かの秘密を抱えた頭脳明晰な神原和彦(弁護人)の法廷での巧みな攻防が繰り広げられ、裁判は二転三転します。
その間、弁護人や検察、判事、陪審員、証人、被告人それぞれの心理描写がかなり緻密に描かれているので、「単なる裁判風景」というような話の内容では終わりません。
特筆すべきは、被告人である大出俊次が、自らの罪の意識に目覚め始めたこと。
今まで、どんな暴力沙汰を犯しても父親が金で解決してきたので、このままいけば彼はろくでもない人間になってしまうだろうと父親の仕事を手伝う弁護士さんは懸念していました。
が、この裁判により、「これが嘘であるならばなぜ告発状は存在するのか?」という神原和彦の問いにより、「自分がハメられるような真似をしたからではないのか?」と、今までの罪を自覚させることで、彼に罪を認めさせました。

その上で、これ以上はネタバレかつ、この本の最大のキモなので内緒ですが、神原少年によって柏木卓也の死の真相が明かされます。
そして、柏木卓也が今で言うところの「中二病」であり、最早救いようのないところまで来ていたことに個人的にイライラしましたwwwwwで、小説形式で遺書が残っていたことが判明。
自殺であることが確定され、大出俊次は無罪。

最初から彼は知っているだろうというような描写があったので、関わりがあるのはわかっていましたが、これで点と線が繋がったというような、全員にとって納得できる形で裁判は終了しました。

最後は野田くん(神原少年の助手を努めていた)が成長し、先生となって学校に戻ってきて、昔話としてこの裁判が伝説として残っていることを告げられて終わります。

裁判に関わった人たち全員が、なんかしら成長しているので、「裁判もの」というか「成長もの」としても読めるか…非常に読後感のいい作品だったと思います。

不満といえばラストでなぜか野田君だけが成長した姿で出てきたので、ほかのメンバーも簡単でいいから出してくれればいいのになあ…と思いましたねwwww

だらだらと一部ずつ感想を言ってまいりましたが、今までの宮部作品でぶっちぎり1位の作品ですね(個人的にですがww)

スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。